武川岳 (伊豆ヶ岳より撮影)

                       


                          

山行No 033
山行日 1997年05月18日(日)
天候 晴れ
気温 焼山13℃ 武川岳12℃
日ノ出 04:35
日ノ入 18:40
最大標高差 732m (芦ヶ久保駅320m→武川岳1052m)
コースタイム 310分
山で会った人 10人くらい
メンバー 単独行

320m 芦ヶ久保駅 4:42
↓ 120分 117分
882m 二子山 6:39 6:50
↓ 45分 42分
850m 焼 山 7:32 7:50
↓ 100分 69分
1052m 武川岳 8:59 9:50
↓ 45分 62分
580m 正丸峠 10:52

                       

西武池袋線・秩父線にて芦ヶ久保駅下車。
もしくは、八高線東飯能駅にて秩父線に乗り換えて、芦ヶ久保駅下車。

このコースは正丸峠でお迎えの車が無かったら名郷へ下山し、バスを利用した方がいいです。

問い合わせ:西武電鉄 http://www.seibu-group.co.jp/main.html


                    

芦ヶ久保駅付近の駐車場
(有料)1日500円
約200台駐車可


                               

名栗温泉 名栗村体験交流センター さわらびの湯

埼玉県入間郡名栗村大字下名栗685
TEL0429−79−1212
駐車場:150台
営業時間:10時〜18時
入浴料:3時間800円
泉質:アルカリ性単純温泉
種類:大浴場(打たせ湯、かぶり湯、サウナ)、野外ジャグジーバス
コメント:付近にキャンプ場がいくつかあるので、キャンプシーズンの夕方は混雑します。
オススメ度:


                            

出発前
 今回の山行はある実験をしようと試みる。それはトランジーバーで隣の山と交信できるかというものだ(小学生波並みの実験)。私は武川岳に登り、別のグループは伊豆ヶ岳に登ってその実験を行う。武川岳へは正丸峠から登る最短ルートもあるが、せっかくだからと芦ヶ久保からの縦走コースで山頂を目指す。経由地点間の距離が長くて標高差もあり、険しいコースが予想されるので体力的に不安でもあるが頑張って登ろう。

芦ヶ久保〜二子山
伊豆ヶ岳登山隊と芦ヶ久保駅で分かれて、まだ薄暗い沢沿いの登山道を進んでいく。この辺りは蝮の生息地なので足下が気味が悪い。最初の目的地である二子山までは2時間もあるので、体力を消耗しないようにゆっくりと登っていく。登山道は沢から離れると勾配がきつくなってきた。昨夜は雨が降ったので登山道は滑り易く、また大量の水蒸気で山はガスにまかれて展望がきかない。それでも時折風にガスが流されて視界が少し開ける時があり、西側に大きな武甲山の痛々しい斜面が見える時がある。間近で見る武甲山は怖いくらいの迫力で、その狂気にも近い迫力の原因は人間による採石工事だ。人の手によってサイボーグ化された武甲山は、その復習の機会をじっと待っている。武甲山をチラチラと見ながら登っていくと尾根に出たので、伊豆ヶ岳隊と交信してみるが応答なし。二子山の尾根まで登ってきたら少しの間緩やかな道が続くが、次第に急坂となる。道が急なので階段状になっていたと思われるが、丸太が土砂に流されて用をなしていない。仕方がないので滑りやすい急坂を木から木へ飛び移るように登っていくと、二子山の片割れである雌岳に着いた。ここから急坂を下って、痩せ尾根から登り返すと雄岳の山頂だ。

二子山〜武川岳
ほぼ時間通りの2時間で到着できた。雄岳の北東面が伐採されて秩父の街が見下すことができ、その向こうにはうっすらと男体山が見え、空気が澄んでいたらと悔やまれる。雄岳から急坂を降りて次の目的地である焼山へ向かう。二子山から比較的緩やかで歩きやすい登山道が続いていたが、焼山に近づくと登山道は胸が着くばかりの急登で、「落石注意」の看板も立っている。その急登を木と岩に掴まりながら、やっとの思いで焼山の山頂に到着した。このコース中で一番の武甲山展望ポイントである焼山だが、生憎とガスで良く見えない。それでもガスが風に流される瞬間、間近に武甲山が現れるので、ガスが晴れるのをカメラを構えて待っていたが、晴れる気配が無いので諦めて山頂を後にした。焼山から下ると林道が登山道のすぐ脇まで来ていて、林道を進んだ方が楽そうに思えたが、あえてアップダウンの厳しい登山道を進んでいった(修行僧のようだ)。後で判ったことだが、地図が不正確で、もし林道を進んでいったら登山道へ戻れなくなっていたのだ。クソ真面目に登山道を進んで良かった。次の目的地である鳶岩山へは、急坂を登り切るとまた下降するアップダウンの多い登山道で、いったいどこのピークが鳶岩山なのか判らなくなってくる。ガスでボンヤリしている登山道を急なアップダウンを繰り返して進んでいくと、急に頭上が明るくなった。たぶん鳶岩山の頂上だろうと登っていくと、着いた所は最終目的地である武川岳の頂上ではないか!さっき通ったピークの一つが鳶岩山で気づかずに通り越してしまったようだ。何だか得した気分になる(なにを得したのか?)。

武川岳〜名栗少年の家
武川岳の山頂は広くて南面が開けているが、ガスで展望はあまり良くない。山頂のベンチで食事の用意をしていると、風が強くてなかなかお湯が沸騰しない。そこでお湯が沸くまでの間にもう一度伊豆ヶ岳へ交信してみるが、ここでも何の応答もない(さびしい)。食事を終えて一服していると「ピピピ…」と無線の呼び出し音が山頂で響いた。一斉に山頂にいる他の登山者がこちらを向いて注目されてしまった。途切れ途切れではあるが、伊豆ヶ岳登山隊との無線交信に成功した。伊豆ヶ岳登山隊は山頂からの交信で、これから下山するとの事なので、無線交信を終えたらこちらも急いで下山を開始する。段々とガスが消えて視界が開けてきた登山道を20分程下っていくと、見晴台がある。正面に伊豆ヶ岳が見えるが、その他の山は判らない。山頂にいる時よりもガスが晴れてきてずっと展望が良くなった。この天気が山頂で得られたらよかったのに残念だ。見晴台から更にドンドン下って行くが、、一向に下まで着きそうにない。地図では下り時間45分となっているが、そんな時間はいい加減としか思えない。明日の筋肉痛を覚悟でペースを上げて下っていく。足に付けている鈴がうるさいので外して、無我夢中に坂道を降りていくと名栗少年の家に着いた。体力をだいぶ消耗して、半分フラフラになりながら駐車場にて伊豆ヶ岳登山隊と合流した。そして近くにある岩場に途中に寄って、ロッククライミングを見学した。初めて見る岩登りに熱い血が沸いてきた。

下山後
 今回の山行は、最近体力に自信がなかったが、芦ヶ久保から武川岳までの辛い坂道を登り切れたことは自信になったと思う。展望はガスで殆ど見えなかったが、10時頃からガスが晴れてきた。と言うことは朝早ければ展望が良いということは絶対ではないということだ。これからは今回のような天気の場合、山頂にいる時間を長くして天候が良くなるのをゆっくりと待ってみるのも良いかも知れない。トランシーバーの交信は武川岳〜伊豆ヶ岳の距離が精一杯で、それ以上になると何を言っているのか判らなくなるだろう。

武川岳からの展望写真