金時山 (蛭ヶ岳より撮影)

                       


                          

山行No 116
山行日 2002年02月02日(土)
天候 晴れ
気温 山頂3℃ 
日ノ出 06:41 
日ノ入 17:09
最大標高差 503m (金時神社710m→金時山1213m)
コースタイム 170分
山で会った人 4人
メンバー 単独行

710m 金時神社 6:41
↓ 55分 56分
1050m 矢倉沢峠分岐 7:37 7:43
↓ 20分 20分
1213m 金時山 8:03 8:53
↓ 35分 37分
1144m 長尾山 9:30
↓ 15分 11分
1005m 乙女峠 9:41 9:51
↓ 30分 27分
740m 乙女口 10:18
↓ 15分 9分
710m 金時神社 10:27

                       

東名自動車道御殿場ICから国道138号線で箱根、小田原方面へ進む。
山間のカーブの多い道路を通って、乙女トンネルを越えると、公時神社の入口があります。


                    

公時神社の駐車場
約20台駐車可
トイレ有り


                               

御殿場市 温泉会館
所在地:静岡県御殿場市深沢2160-1
TEL:0550-83-3303 
駐車場:あり
営業時間:10時〜20時
入浴料:2時間500円
泉質:ナトリウム泉(塩化物・硫酸塩温泉)アルカリ性単純温泉
種類:大浴場
コメント:大きな富士山を眺めらがらの入浴は格別
オススメ度:


                            

出発
 実に5ヶ月ぶりの登山となってしまった今回の山行は(5ヶ月のブランク中に、第3子が誕生していた)箱根外輪山の金時山に登ろうと思います。前回の山行は夏山登山だったのに、今回は秋山を通り越していきなり冬山登山となってしまい、ブランクがあるので体力的に不安な点もある(いつも不安だらけ)

公時神社〜金時山
 朝3時半に自宅を出たら除雪の跡が残る中央道で御殿場へと向かう。東富士五湖道路の温度計は−10℃の表示は、真冬の厳しい寒さを表わしている。御殿場から旧箱根道を登り、乙女峠トンネルを越えたら、駐車場がある金時神社に到着。心配していた道路の凍結もなく、予想より早く着いてしまったので、日の出まで1時間近く車の中で待つことにする。6時位になると夜が明けはじめ、ピリっとした寒気の中、登山の準備に取り掛かる。用意ができたら公時神社で今年の初詣をしてから登山を開始する。登山道は南斜面を登るので、明るくて気持ちが良い。朝日を浴びながら10分ほど進むと、高さ10mもあろう大きな岩が現れる。金太郎が鞠つきをしたと言われる岩だ。伝説だって言ってもいくらなんでもそれは無いだろうと思いながら、鞠つき岩から更に登ると今度は胎内岩が現れる。金太郎はこの岩から生まれたのだろうか?だとしたら金ちゃんは相当なヤツだ。胎内岩を過ぎて更に登っていくと、右手の方から尾根が近づいてくるようになり、やがてその尾根に合流すると矢倉沢峠分岐となる。分岐にはみんなで山を清掃した記念碑が建っており、昔の金時山はゴミだらけだったのだろうか。分岐からは稜線を進むようになり、箱根の神山を中心に外輪山がグルリと囲むカルデラがはっきりと見渡せるようになる。登山道は岩まじりの急登が続き、所々には凍結した箇所があるので滑りやすく注意しながら登っていく。汗を滴らせながら登り続けると2軒の小屋が建つ広い金時山の山頂に到着。

金時山〜乙女峠
まず目につくのが馬鹿デカイ富士山だ。実に堂々と裾野をひろげている富士山にカメラを構えているアマチュアカメラマンらしき人もいる。私は小屋のベンチには座らずに岩に腰掛けて鍋焼きうどんを作ることにする。うどんが煮えるまでの間、展望に目を向けると、以前登った愛鷹山や南アルプスなどがズラリ見渡せて、やっぱり山っていいなあと再確認。出来上がったうどんを食べ終わったら小屋の中に入ってみる。この小屋は新田次郎の「強力伝」の主人公の娘さん(と言っても今はオバちゃん)が金時娘として切り盛りしている小屋で、その金時娘さんからバッチを買ったら下山を開始する。山頂から凍結した登山道を下っていくが、勾配がきつくなっていくと、滑落する危険性もあるので6本歯のアイゼンを装着する。今までオッカナビックリ下っていた登山道をガツガツと歯を食い込ませてグングン下っていく。雪面にアイゼンの歯が食い込む感触がたまらない。これぞ冬山っていう感じだ。背の低い熊笹に囲まれた長尾山を過ぎると、気温もだいぶ昇ってきて、登山道の雪や霜柱も解け始めグチャグチャになってきた。そんな滑りやすい登山道もアイゼンの歯が土に食い込んでくれるので、グングン下って行くことができる。たまに泥が団子状になってしまうのが玉に傷だが、実に頼もしいヤツである。そんなアイゼンも乙女峠まで下ったら外すことにする。

乙女峠〜公時神社
乙女峠には昔ながらの素朴で古風な茶店(小屋?)が建っており、小屋のベンチに座ってアイゼンの泥を落としたら再び下山を続ける。岩がゴロゴロと転がっている登山道を下っていくと、やがて下界の車の音が聞こえてくるようになった。すると近くに何かが動く気配がした。耳を澄ますと確かに草を踏みしめる音がするではないか。それがこっちに近づいてくると気づき緊張が走った瞬間、「ニャーオ」という泣き声。え?。「ニャーオ、ニャーオ」と声だけが私に近づき、藪の中に目を凝らすと一匹の猫が草を掻き分けてこちらに向かって歩いてくる。「チュッ、チュッ、チュッ」と猫を呼んでみると駆け足で私のところに寄ってきた。こんな山の中で猫に会うとは...。猫に何か与えようかと物色するが何も出てこない。でもなんでこんな所に猫がいるのかと疑問に思ったのがいけなかった。たぶんこの猫はこの辺りに捨てられた捨て猫なのだろう。私は与える餌も無く、ましては連れて帰ることも出来ないのに、無責任に猫を呼んでしまったのだ。まだ雪の残る山にこの猫が生きていけるとは思えない。私は猫に申し訳なく思うと同時にたくましく生き抜いてくれと願いながら猫に背を向けた。少し進んで後ろを振り返ると猫はそんな私をまだ見ていた。その猫の視線を振り切るように下っていくと、堰堤らしきものを作っている作業場にでた。あの猫が作業員たちの目にとまって、面倒を見てもらえたらいいのにと願いながら、乙女口へと降りていった。

反省
今回の山行は久しぶりの山行なので体力的に不安だったけど、登山コースが短いということもあって、無事終了することができました。最近は家の用事でなかなか山に行く機会が少なくなってしまったけど、子育てのストレスやいろんな事を受け止めてくれる山を、これからも登っていきたいです。その時はまたよろしくお願いします。